見果てぬ
みはてぬ
連体詞
標準
unfinished
文例 · 用例
――この見果てぬ曠野に。
— 泉鏡太郎 『十和田湖』 青空文庫
見果てぬ夢をあまり短くして断ったそれを惜しませるような、冷たく揶揄するような沖の篝火でありました。
— 岡本かの子 『扉の彼方へ』 青空文庫
海士も簑きる時雨かな、潮の※は浴びながら、夜露や厭う、ともの優しく、よろけた松に小綱を控え、女男の波の姿に拡げて、すらすらと乾した網を敷寝に、舳の口がすやすやと、見果てぬ夢の岩枕。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
我が勇しき船頭は、波打際の崖をたよりに、お浪という、その美しき恋女房と、愛らしき乳児を残して、日ごとに、件の門の前なる細路へ、衝とその後姿、相対える猛獣の間に突立つよと見れば、直ちに海原に潜るよう、砂山を下りて浜に出て、たちまち荒海を漕ぎ分けて、飛ぶ鴎よりなお高く、見果てぬ雲に隠るるので。
— 泉鏡花 『海異記』 青空文庫
老憊の肉体を抱き、見果てぬ夢を追い、荒涼の磯をさまようもの、白髪の浦島太郎は、やはりこの世にうようよ居る。
— 太宰治 『懶惰の歌留多』 青空文庫
六百年の久しき後にまで人の肩になまめかしくしなだれかゝる老木の桜の一念を見るにつけ、手植の主の少女の、否、なべての女の永劫に見果てぬいのちの夢が今更に想い遣られます。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
蝶子、お艶が病気で死んだとき、お艶やおまえのいわゆるおじさんは悲嘆は別として、まずかの女に見果てぬ夢はなかったか、気がゝりなものは無かったか、それを心の中で探してみたものだ。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
見果てぬ夢の香気と色とは今だに連想の林に薄紫の桐の花を靉々と匂わしたくなる。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
作例 · 標準
彼は見果てぬ夢を追いかけて、ついに一度も故郷へ帰ることなく異国の地で客死した。
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小説の結末は見果てぬ予感を漂わせ、読者にそれぞれの解釈を委ねる形で終わった。
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見果てぬ想いを胸に秘めたまま、彼女は静かに過ぎ去った日々を回想していた。
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