ぶつ
ぶつ
副詞
標準
文例 · 用例
つぶつぶ絣の単物に桃色のへこ帯を後ろにたれ、小さな膝を折ってその両膝に罪のない手を乗せてしゃがんでいる。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
隣の妻の入來るを見るに、懷には町を抱きたり、與四|郎胸さわぎのして、美尾は何處へ參りました、此日暮れに燈火をつけ放しで、買物にでも行きましたかと問へば、隣の妻は眉を寄せて、さあ其事で御座んすとて、睡り覺めたる懷中の町がくすりくすりと嘩泣るを、おゝ好い子好い子と、ゆすぶつて言葉絶えぬ。
— 樋口一葉 『われから』 青空文庫
私は最初、女の無邪気な意地悪から、悪戯に言ふのだと思つたので、故意と勿体ぶつた様子などして、さも貴族らしく返事をした。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
強く、逞ましく、直接まつすぐにぶつかつてくる力がある。
— 萩原朔太郎 『青猫』 青空文庫
ああ そのすべすべとみがきあげたいつぽんの指をおしいただきすつぽりと口にふくんでしやぶつてゐたい いつまでたつてもしやぶつてゐたい。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
絶望の逃走おれらは絶望の逃走人だおれらは監獄やぶりだあの陰鬱な柵をやぶつていちどに街路へ突進したときそこらは叛逆の血みどろで看守は木つ葉のやうにふるへてゐた。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
僕等は卑怯でみすぼらしく 生き甲斐もない無頼漢であるが僕等の親分を信ずるとき僕等の生活は充血する仲間のみさげはてた奴らまでがいつぽんぶつこみ 拔きつれまつすぐ喧嘩の、繩ばりの、讐敵の修羅場へたたき込む。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
そこはかと愛するものは伸長しばんぶつは一所にあつまりてわが指さすところを凝視せり。
— 萩原朔太郎 『純情小曲集』 青空文庫