空所
くうしょ
名詞
標準
blank
文例 · 用例
網棚に繪具箱をのせる空所もなかつたのでベンチにのせかけて持つて居るうちに、誤つて取落すと隣に立つて居た老人の足に當つた。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
二人の抜けたあとの行列の空所は直ぐうずまった。
— 岡本かの子 『街頭』 青空文庫
網棚に絵の具箱をのせる空所もなかったのでベンチにのせかけて持っているうちに、誤って取り落とすと隣に立っていた老人の足に当たった。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
――不思議に窓の空所へ橋に掛つた襖を傳つて、上りざまに屋根へ出て、それから山王樣の山へ逃上つたが、其處も火に追はれて逃るゝ途中、おなじ難に逢つて燒出されたため、道傍に落ちて居た、此の美人を拾つて來たのださうである。
— 泉鏡太郎 『露宿』 青空文庫
ある時、近くの村の青年の寄り合いに雇われたが、案内に来た青年は馬方で、馬力の荷物のうしろの方に空所を作って、そこに座布団を敷いて、三味線と、下駄を抱えた女を乗せると、最新流行のスットントン節を唄いながら、白昼の国道を引いて行った。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
いつもの宗右衛門が、かつと怒るかはりに、成程と思考して死体のまはりの空所に色々なものを詰めてやつた。
— 岡本かの子 『老主の一時期』 青空文庫
透き通る様な青い若葉が門扉の上から雨後の新滝のやうに流れ降り、その萌黄いろから出る石竹色の蔓尖の茎や芽は、われ勝ちに門扉の板の空所を匍ひ取らうとする。
— 岡本かの子 『蔦の門』 青空文庫
あの本棚の第二段目の空所は、せいぜい五六冊もあれば、きちんと埋まりますが、いかがですか?
— コナン・ドイル 『空家の冒険』 青空文庫