円筒状
えんとうじょう
名詞
標準
文例 · 用例
独逸製のサイコロを買うと、そもまま歔欷くように円筒状の夜の大阪を感じていた。
— 吉行エイスケ 『大阪万華鏡』 青空文庫
この綿打ち作業は一度も見たことはないが、話に聞いたところでは、鯨の筋を張った弓の弦で綿の小団塊を根気よくたたいてたたきほごしてその繊維を一度空中に飛散させ、それを沈積させて薄膜状としたのを、巻き紙を巻くように巻いて円筒状とするのだそうである。
— 寺田寅彦 『糸車』 青空文庫
とある街の辻に古くから立つてゐる円筒状の黒い広告塔に、折々、西洋奇術の貼札が紅いへらへら踊の怪しい景気をつけるほかには、よし今のやうに、アセチリン瓦斯を点け、新たに電気燈をひいて見たところで、格別、これはという変化も凡ての沈滞から美しい手品を見せるやうに容易く蘇らせる事は不可能であらう。
— 北原白秋 『水郷柳河』 青空文庫
第三は同一の容積を持つてゐる二個の物体のうちで、その一個が円筒状をなしてゐますと、それが外の形をしてゐるものよりも沈みやうが遅いといふことなのでございます。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『うづしほ』 青空文庫
この刹那に箱の蓋をあけると、案の通り土で造った円筒状の煙管の雁首が一箇出た。
— 伊波普猷 『土塊石片録』 青空文庫
水中望遠鏡は潜水艦の潜望鏡のように、天井からぶらりとさがっている円筒状のもので、下にはハンドルをまわすと、上下左右、どちらでも水中を自由に見物できるものであった。
— 海野十三 『海底大陸』 青空文庫
大きな石を楕円形に円筒状に畳み上げたもので、ちょっと見ると空井戸かと思われるような形で、そういわれなければ墓とは気づかない。
— 野上豊一郎 『パラティーノ』 青空文庫
これにも、求心性視野狭窄、円筒状視野狭窄、螺旋状視野狭窄、などといふ様々な症状がある。
— ――宛名のない手紙―― 『日本人とは?』 青空文庫