綴じ
とじ
名詞
標準
文例 · 用例
その後桂はついに西国立志編を一冊買い求めたが、その本というは粗末至極な洋綴で、一度読みおわらないうちにすでにバラバラになりそうな代物ゆえ、彼はこれを丈夫な麻糸で綴じなおした。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫
僕はもう少し習ったらうちの田をみんな一|枚ずつ測って帳面に綴じておく。
— 宮沢賢治 『或る農学生の日誌』 青空文庫
復一はかっとなって、端の綴じが僅か残っている金網を怒りの足で蹴り放った。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
仕事は熱心だから、仕事だけはズボラでない筈だが、しかし書き上げてしまうと、綴じて送ったためしはない。
— 織田作之助 『鬼』 青空文庫
まえまえから、蝶子はチラシを綴じて家計簿を作り、ほうれん草三銭、風呂銭三銭、ちり紙四銭、などと毎日の入費を書き込んで世帯を切り詰め、柳吉の毎日の小遣い以外に無駄な費用は慎んで、ヤトナの儲けの半分ぐらいは貯金していたが、そのことがあってから、貯金に対する気の配り方も違って来た。
— 織田作之助 『夫婦善哉』 青空文庫
手本帳に綴じさせるつもりの字や絵をいろいろに書いて見せたりしていた。
— 若紫 『源氏物語』 青空文庫
頭中将の宿直所のほうから、何よりもまずこれをお綴じつけになる必要があるでしょう。
— 紅葉賀 『源氏物語』 青空文庫
漢字は上手に書けますが、仮名には時々力の抜けた字の混じる欠点はありますね」 などとも源氏は言っていて、書かない無地の草紙もまた何帳か新しく綴じさせた。
— 梅が枝 『源氏物語』 青空文庫