胸肌
むなはだ
名詞
標準
文例 · 用例
」と立ちどまつて詰めるやうに妻を見上げると、持つてゐた枇杷の實を投げ棄てて、行きなり妻の膝の上にどつかと馬乘りに飛び乘り、そして、きちんとちがへてあつた襟をぐつと開き、毬栗頭を妻の柔かい胸肌に押しつけて乳房に喰ひついた。
— 嘉村礒多 『崖の下』 青空文庫
私は悪い鼈甲色をした乳母の胸肌を、いい気もちで見られなかった。
— 室生犀星 『童子』 青空文庫
胸肌のうすい皮づきがくらみを持っているのまで、気になり絶望的な気もちにした。
— 室生犀星 『童子』 青空文庫
」 と、白い胸肌をつくろいながら、身をもたげて、今度は暗い梯子の穴へ、覗きこむように、もいちどいった。
— 吉川英治 『大岡越前』 青空文庫