拈華
ねんげ
名詞
標準
文例 · 用例
拈華の一拶は、ここを去る八千里ならざるも、ついに不言にしてまた不語である。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
依田学海先生国民之友の附録を批して曰く、「舞姫」は残刻に終り、「拈華微笑」は失望に終り、「破魔弓」は流血に終り、「酔沈香」は嘆息に終る。
— 石橋忍月 『舞姫』 青空文庫
『舞姫』と紅葉の『拈華微笑』が一緒に『国民之友』の春期附録に出た。
— 田山録弥 『紅葉山人訪問記』 青空文庫
拈華微笑的微笑もおのずと口辺に漂わざるを得ません。
— 一九四〇年(昭和十五年) 『獄中への手紙』 青空文庫
「拈華微笑」の昔はもちろん、百数十行に亙る新聞記事さえ他人の気もちと応じない時にはとうてい合点のできるものではない。
— 芥川龍之介 『十本の針』 青空文庫
決断がにぶいといったものもあるが、彼れらは決して拈華微笑、死を悦びはしなかったのだ。
— 長谷川時雨 『芳川鎌子』 青空文庫
技術上微笑したようなお顔になっているけれども、拈華微笑の教義による微笑の意義を目指して拵えたという説があるようだが、私にはそうはとれない。
— 高村光太郎 『回想録』 青空文庫
教外別伝を説くものの主張はこうである、釈迦は一代の教法を宣説するほかに、さらに拈華瞬目のとき破顔微笑した摩訶迦葉に正法眼蔵涅槃妙心を正伝した、それを嫡々相承したのが禅宗である。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫