憫然
びんぜん
形容動詞形容詞-たる副詞-と
標準
pitiable
文例 · 用例
で何となく懐慕しいやうにも思はれ、また其の淋しい末路が哀になツて、「俺の生母のやうに早死しても憫然だが、また比のおふくろのやうになツても氣の毒だ。
— 三島霜川 『平民の娘』 青空文庫
勝手に覺りがつく迄やらせるがいゝが、はたから見ると憫然なものだ。
— 夏目漱石 『鈴木三重吉宛書簡―明治三十九年』 青空文庫
往復ハガキで下らない質問の回答を種々の形の瓢箪先生がたに求める雑誌屋の先祖のようなものに、千成瓢箪殿下が成下るところが聊か憫然だ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
)」「あわれ、憫然というやつかい。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
わたしは宿の妻を得て満足のうちにも、父と師を裏切ったことに対し憫然の情に虐まれ、妻だけは自分の好みを立てたがあとは何物をも犠牲にして努め励み、どうか二人に酬ゆるに足るほどの彼等の満足を得さしめてやり度いと秘に心に期するのであった。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
貴様これが人情だぞ」 鷹に遭へる小鳥の如く身動し得為で押付けられたる貫一を、風早はさすがに憫然と見遣りて、「蒲田の言ふ通りだ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
もう自分で自分の心根を憫然に思ってそぞろに涙を流して、自らを慰めるという余裕すらなくなってしまった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
そして、その死骸のそばに、不憫というか、笑止というか、それとも憫然のいたりというか、同じく高手小手にくくしあげられて、げっそり落ちくぼんだ目ばかりピカピカ光らせていた者は、だれでもない、あのあばたの敬四郎でした。
— 足のある幽霊 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
雨に濡れる子犬の姿は、憫然たるものがあった。
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彼の境遇を聞けば、誰もが憫然の情を禁じ得ないだろう。
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「ああ、なんと憫然な運命だろう」と、彼は呟いた。
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