何の変哲もない
なんのへんてつもない
表現形容詞
標準
completely ordinary
文例 · 用例
中には、それはおまへの今ゐるのが何の変哲もない峠道のことで、闇夜のことだし草一本満足には見えぬ有様だからだらうなぞ思ふ人もあるかも知れぬ。
— 中原中也 『深夜の峠にて』 青空文庫
田舎道を乗合馬車が行くのを一台の自動車が追い駈けて行く、と前方の瀬戸内海に太陽が昇りはじめる、馬車の乗客が「おい、見ろ、昭和二十年の太陽だ」という――ただそれだけの何の変哲もない他愛もない夢であるが、この夢から私は次のように短かい物語を作ってみた。
— 織田作之助 『電報』 青空文庫
しかし、読者の度胆を抜くような、そして抜く手も見せぬような巧みに凝られた書出しよりも、何の変哲もない、一見スラスラと書かれたような「弥生さんのことを書く」という淡々とした書出しの方がむずかしいのだ。
— 織田作之助 『四月馬鹿』 青空文庫
三方には本棚があり、書き物机は何の変哲もない窓に向かって置かれ、そこから庭が見渡せた。
— THE ADVENTURE OF THE DANCING MEN 『踊る人形』 青空文庫
何の変哲もない調査は、かかわりたくないと一蹴してしまう。
— THE ADVENTURE OF THE SPECKLED BAND 『まだらのひも』 青空文庫
あの日も何気なしに、あのマッチ函を君の一味から買ったのだ、そこは店の表から見ると、何の変哲もない煙草店だった、だからそんな恐ろしいマッチともしらず、君の仲間が間違えたまま一函買いとってそしてガリガリ噛みながら、銀座へ出てきた。
— 海野十三 『流線間諜』 青空文庫
ここはその朝、外套に運動帽子といういでたちでレスナヤ街二十八号の友人|金成白――レスナヤ28は、いま、見たところ何の変哲もない荒れ果てた一住宅だ――の家を出た安重根が、近づく汽車の音に胸を押さえながら、ぽけっとのブロウニング式七連発を握りしめたという椅子である。
— 踊る地平線 『踊る地平線』 青空文庫
入ってみると、そこは何の変哲もないカフェだった。
— 海野十三 『西湖の屍人』 青空文庫
作例 · 標準
何の変哲もない石ころだと思っていたが、実は貴重な隕石だった。
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彼の描く絵は、何の変哲もない風景を魔法のように美しく変えてしまう。
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何の変哲もない毎日が、病気になって初めてかけがえのないものだと気づいた。
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