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諂諛

諂諛
名詞
1
標準
文例 · 用例
特に癇癖荒気の大将というので、月卿雲客も怖れかつ諂諛して、あたかも古の木曾|義仲の都入りに出逢ったようなさまであった。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
それゆえ学窓を出て官界に入り、身辺の世のなかの現実に触れた時、勝手がまるで違ったように、上官や同僚がすべて虚偽と諂諛の便宜主義者のように見えて仕方がなかった。
徳田秋声 縮図 青空文庫
恬として既往を忘れたふりのできる顕官連や、彼らの諂諛を見破るほどに聡明ではありながらなお真実に耳を傾けることを嫌う君主が、この男には不思議に思われた。
中島敦 李陵 青空文庫
賢と不才とを識別し得ないほど愚かではないのだが、結局は苦い諫言よりも甘い諂諛に欣ばされてしまう。
中島敦 弟子 青空文庫
主君の戯れに、諂諛の笑を以て応えて良いものか、どうか。
中島敦 妖氛録 青空文庫
だつて、君、左様ぢやないか――世間体の好いやうな、自分で自分に諂諛ふやうなことばかり並べて、其を自伝と言つて他に吹聴するといふ今の世の中に、狂人ででも無くて誰が冷汗の出るやうな懴悔なぞを書かう。
島崎藤村 破戒 青空文庫
純粋で従って快活でありやすい友人や隣人に対しての愛において、すでに利己心や憎悪心や諂諛や傲慢がそれの明るい拡りゆく自由さを失わせていたとすれば、婦人に対する愛や交りが本当に純潔であろうなどとは誰も信じないことである。
三木清 語られざる哲学 青空文庫
虚文虚礼|便佞諂諛を賤しとして仕官するを欲しなかった二葉亭もこの意外なる自由の空気に満足して、局長閣下と盛んに人生問題を論じて大得意であった。
内田魯庵 二葉亭四迷の一生 青空文庫