枡形
ますがた
名詞
標準
文例 · 用例
直角三角形の一番長い辺の上に乗っけた枡形の面積が他の二つの辺の上に作った二つの枡形の面積の和に等しいというのである。
— 寺田寅彦 『ピタゴラスと豆』 青空文庫
タテヨコきちんとそろった枡形組版も、かならずしも絶対的なものではない。
— 津野海太郎 『本はどのように消えてゆくのか』 青空文庫
そこでふと気をつけてみると、己の周囲には城の枡形らしい物の影が映っていた。
— 田中貢太郎 『首のない騎馬武者』 青空文庫
大手の址はあっても建物も何もないのに枡形の映るは不思議であった。
— 田中貢太郎 『首のない騎馬武者』 青空文庫
某は顫いあがって逃げようとしたが、どうしても枡形の外へ出られないので朝まで其処に立ちすくんでいた。
— 田中貢太郎 『首のない騎馬武者』 青空文庫
丸の内から話を始めると、見附見附には枡形があり、そこは長いものを通さず、槍や鉄砲や梯子と間違えられるので、竹ざおなどを持ちこむのに、風呂敷をかぶせて、――ヘエ風呂敷包でございますが――といって通ったということは、落語や講談の〈まくら〉につかわれている。
— 野村胡堂 『江戸の昔を偲ぶ』 青空文庫
「とうとう脇屋をやった」「どうしたんだ」「きょう、お城をさがる時、二の丸の枡形で突っかけて来た。
— 山本周五郎 『蘭』 青空文庫
暑いくらい照りつける陽の下に、五、六十戸ほどの家々がひっそりと静まりかえっている、だんだん下りになっている広い道にも、枡形になっている広場にも、鶏一羽、猫一匹いないのだ。
— 山本周五郎 『梟谷物語』 青空文庫