憫
憫
名詞
標準
文例 · 用例
いくら私だってお増が根も底もない焼もちだ位は承知していますよ……」「実はお増も不憫な女よ。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
物も言い得ないで、しょんぼりと悄れていた不憫な民さんの俤、どうして忘れることが出来よう。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
考えてみれば私どもの届かなかったために、民子にも不憫な死にようをさせ、政夫さんにも申訣のないことをしたのです。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
民子の死は全くそれ故ですから、親の身になって見ると、どうも残念でありまして、どうもしやしませんと政夫さんが言う通り、お前さん等二人に何の罪もないだけ、親の目からは不憫が一層でな。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
あア悪いことをした、不憫だった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
どうぞ不憫と思うてやって下さい……」 一語一句皆涙で、僕も一時泣きふしてしまった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
」 と叫びながら、可憫そうな支那兵が逃げ腰になったところで、味方の日本兵が洪水のように侵入して来た。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫
可憫そうなチャンチャン坊主は、故意に道化けて見物の投げた豆を拾い、猿芝居のように食ったりした。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫