気の抜けた
きのぬけた
表現形容詞-語幹
標準
insipid
文例 · 用例
ばアさん、泣きの涙かなんかでかあいい男を新橋まで送ったのは、今から思うと滑稽だが、かあいそうだ、それでなくてあの気の抜けたような樋口がますますぼんやりして青くなって、鸚鵡のかごといっしょに人車に乗って、あの薄ぎたない門を出てゆく後ろ姿は、まだ僕の目にちらついている。
— 国木田独歩 『あの時分』 青空文庫
(ご免なさいまし、)といったがものもいわない、首筋をぐったりと、耳を肩で塞ぐほど顔を横にしたまま小児らしい、意味のない、しかもぼっちりした目で、じろじろと門に立ったものを瞻める、その瞳を動かすさえ、おっくうらしい、気の抜けた身の持方。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
あたかも酒の気の抜けたようなものである、というのである。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
あの侍が蔵元屋へ出入りするようになってから、今まで口八釜しゅう娘の婚礼仕度の指図をしておった継母が、何とのう気の抜けたようになった。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
橙色の柳縹子、気の抜けた肩を窄めて、ト一つ、大きな達磨を眼鏡でぎらり。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
顔貌が何となく惘乎して、どこにか気の抜けた様な処が見えるのはその為であるらしい。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
」となぜか一人で納得して、気の抜けたような片手を支く。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
ここで、トボンと夢が覚めるのであろう、と途中の雪の幻さえ、一斉に消えるような、げっそり気の抜けた思いで、思切って障子を開けると、更紗を掛けた置炬燵の、しかも机に遠い、縁に向いた暗い中から、と黒髪が揺めいて、窶れたが、白い顔。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
作例 · 標準
炭酸が完全に抜けて、気の抜けたサイダーほどマズいものはない。
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試験が終わった瞬間、緊張の糸が切れて気の抜けたような顔で椅子に座り込んだ。
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「えっ、今日じゃなかったの?」と、彼は気の抜けた声を上げた。
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あまりに拍子抜けな結末に、会場全体が気の抜けたような空気に包まれた。
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