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葭戸

よしど
名詞
1
標準
reed sliding door
文例 · 用例
」 と、土間に釣った未だ灯を入れない御神燈に蔦の紋、鶴沢宮歳とあるのを読んで、ああ、お師匠さん、と思う時、名の主は……早や次の室の葭戸越、背姿に、薄りと鉄瓶の湯気をかけて、一処浦の波が月に霞んだようであった。
泉鏡花 浮舟 青空文庫
で、遠慮したか、葭戸の開いた敷居越に、撓うような膝を支いて、框の隅の柱を楯に、少し前屈みに身を寄せる、と繻子の帯がキクと鳴る、心の通う音である。
泉鏡花 浮舟 青空文庫
この名望家の令嬢で、この先生の令閨で、その上音楽の名手と謂えば風采のほども推量られる、次の室の葭戸の彼方に薔薇の薫ほのかにして、時めく気勢はそれであろう。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
五ツ紋の青年は、先刻門内から左に見えた、縁側づきの六畳に畏って、件の葭戸を見返るなどの不作法はせず、恭しく手を支いて、「はじめましてお目に懸ります。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
葭戸を下の方から密と開けて、大形の茶碗の底へ、ぽっちり入った結構らしいのを、畳の上へ辷らすようにして客の前に推して据えた、高島田の面長で色の白い、品の可い、高等な中形の浴衣、帯をお太鼓に結んだ十九ばかりの美人。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
茶を持って出た美人は、敷居の外へ半分ばかり出した膝を揃えて支いたまま、呆気に取られたが、上目づかいで鴨川の面を窺うと、渠は目を瞑って俯向きながら、頤髯のむしゃとある中へ苦笑を包んで、「可し、」と頷いて見せたので、葭戸を閉ててすっと消える。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
」「そうですか、皆様にもうかねてお断がしてあるんだのに、何かこういう御心配をなさるから困るよ、ああ、とかく御婦人方は、」と云いながら、その細い目でふと葭戸の内を見着けた。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
「はい、」と案外軽い返事、さやさやと衣の音がして葭戸越に立姿が近いたが、さらりと開けて、浴衣がけの涼しい服装、緋の菱田鹿の子の帯揚をし、夜会結びの毛筋の通った、色が白い上に雪に香のする粧をして、艶麗に座に着いたのは、令夫人才子である。
泉鏡花 三枚続 青空文庫
作例 · 標準
「夏になると、部屋の換気のために葭戸が開け放たれる。」
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葭戸は、通気性が良く、夏の暑さを和らげる効果がある。」
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「「この部屋、葭戸だから、涼しい風が入ってきて気持ちいいね。」」
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