座敷着
ざしきぎ
名詞
標準
dress worn by a geisha to a zashiki party
文例 · 用例
渋い座敷着を着て、座敷へ上ってから、褄を下ろして坐った。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
……上衣無しで、座敷着の上へ黒縮緬の紋着の羽織を着て、胸へ片袖、温容に褄を取る、襲ねた裳しっとりと重そうに、不断さえ、分けて今夜は、何となく、柳を杖に支かせたい、すんなりと春の夜風に送られて、向うから来る姿。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
私もなかろうと思うが、今向う側を何んとか屋の新妓とか云うのが、からんころんと通るのを、何心なく見送ると、あの、一軒おき二軒おきの、軒行燈では浅葱になり、月影では青くなって、薄い紫の座敷着で、褄を蹴出さず、ひっそりと、白い襟を俯向いて、足の運びも進まないように何んとなく悄れて行く。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
それというのも彼女もまた場末とはいいながら、ひとかどの芸者の抱え主として、自身はお化粧|嫌いの、身装などに一向|頓着しないながらに、抱えのお座敷着には、相当金をかける方だからであった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
八 浜龍は材木屋の座敷から帰って来ると、座敷着もぬがず、よくお札の勘定をしていたものだが、驚くことにはそれが銀子のまだ手にしたこともない幾枚かの百円札であったりした。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
それという声が懸ると、手取早く二人の姉分の座敷着を、背負揚、扱帯、帯留から長襦袢の紐まで順序よく揃てちゃんと出して、自分が着換えるとその手で二人分の穿物を揃えて、三味線を――その頃腕達者な烈しい姉は、客の前で弾切ると糸を掛けてる中も間が抜けるといって、伊達に換え三味線を持ったので――四張。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
歌につれて雛太はお座敷着の裾を両手でつまみ、それをめくり上げながら次第に白い脛を現していつた。
— 小説 『小熊秀雄全集−15−』 青空文庫
抱への座敷着を見る目にも、さう言つた慾望が十分現はれてゐたし、まだ道具などの不揃ひがちな、圭子の部屋にも、或る飽足りなさを感じてゐて、今まで見て来た家で、裕福さうな綺麗な家のことを思ひ出してゐるらしかつた。
— 徳田秋声 『チビの魂』 青空文庫
作例 · 標準
舞妓さんが纏う華やかな座敷着は、その場の雰囲気を一層盛り上げる。
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彼女は、代々受け継がれてきた美しい座敷着を大切に保管している。
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京都の伝統工芸品店で、精巧な柄の座敷着が展示されていた。
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