足引き
あしひき
名詞
標準
文例 · 用例
八十尾ろに根張り足引き。
— 長塚節 『長塚節歌集 上』 青空文庫
幼い時竹片を持つて遊んでゐると、蛙がぎやア/\鳴くので、其の悲しさうな聲をたよりに竹片で雜草の中を叩き※ると、蛇に呑まれかけた蛙が、跛足引き引き危いところを逃げて行つた。
— 上司小劍 『ごりがん』 青空文庫
足引きずる山路にかかりて後は人にも逢わず家もなし。
— 正岡子規 『旅の旅の旅』 青空文庫
この心理的かみ合いは、どちらかが死ぬまで、では続くのか、――しかし、おどかされているのかと思うと、伸子は、にっこり笑って片足引き、お辞儀をし、「そうお、ではどうぞ」と云って見たいようであった。
— 宮本百合子 『伸子』 青空文庫
蟻は自分の身体の何十倍も大きい蠅を、三足四足引きずったが、引ききれなくなると、一寸その側を離れ、またすぐに戻ってきて、暫く嗅廻る風をして、こんどは一散に遠くへ走っていった。
— 豊島与志雄 『或る素描』 青空文庫
われ等逃ぐれば、足引きて跡よりぞ来る。
— FAUST. EINE TRAGODIE 『ファウスト』 青空文庫
光は此間機械體操とかで右の足に怪我をしたのだけど、これつぱかりのことで休んでなるものかなんて、繃帶して跛足引き/\學校へ行つてゐるよ。
— 正宗白鳥 『孫だち』 青空文庫
嚮後末代武芸にかけては、きっと大口を叩かるるなよ」 と思う存分の気焔を上げて、悠然と五足六足引き揚げて来た――その刹那である。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫