舎道
しゃどう
名詞
標準
文例 · 用例
閑居鳥寺見ゆ麦林寺とやいふ 夏の日の田舎道、遠く麦畑の続いた向うに、寺の塔が小さく見える。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
昼食の直ぐ前頃だし田舎道を通るものなんて殆どなかつた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
梅雨上がりの、田舎道に蟇の子が、踏みつぶさねば歩けないほど出るのと同じように、沢山出ているはずの帆船や漁船は一|艘もいなかった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
このお家に帰る田舎道は、毎日毎日、あんまり見なれているので、どんな静かな田舎だか、わからなくなってしまった。
— 太宰治 『女生徒』 青空文庫
ほこりっぽい田舎道である。
— 太宰治 『令嬢アユ』 青空文庫
市街から離れた田舎道を、なお、山奥へ、樹々が枯色をした深い淋しい林へ、耳の長い驢馬に引かれた長い葬式の列が通っていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
真っ暗がりの田舎道を、提灯つけて岸和田までひいて行った。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
田舎道を乗合馬車が行くのを一台の自動車が追い駈けて行く、と前方の瀬戸内海に太陽が昇りはじめる、馬車の乗客が「おい、見ろ、昭和二十年の太陽だ」という――ただそれだけの何の変哲もない他愛もない夢であるが、この夢から私は次のように短かい物語を作ってみた。
— 織田作之助 『電報』 青空文庫