替え名
かえな
名詞
標準
alternative name
文例 · 用例
さて一年の計は新年にありで、鼠害を減ずるため、支那で七日とか十日とかの夜、鼠の名を呼ばず馳走し、日本でも貴族の奥向きで三ヶ日間ネズミと呼ばずヨメと替え名したのだ。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
もっとも、主を替え名を変えて、他家で余生を働いた者が全然なかったわけではなかろう。
— 建武らくがき帖 『私本太平記』 青空文庫
まだお前は名前をかえないのか。
— 宮沢賢治 『よだかの星』 青空文庫
そして、それはそれで、差しつかえない。
— 寺田寅彦 『鑢屑』 青空文庫
母にあてた書置は火鉢のひきだしに入れ、自分にあてた書置は自分のふところに押し込んで、彼も女のそばですぐ縊れて死のうと覚悟したが、ここで一緒に死んではかのお登久に済まないような気がしたので、彼は半分夢中でおみよの帯をかかえながら表へそっとぬけ出した。
— 帯取りの池 『半七捕物帳』 青空文庫
――平生の見方をかえなかった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
お前はどんなものとでもお前の足をとりかえないか。
— 宮沢賢治 『学者アラムハラドの見た着物』 青空文庫
しかし向かいの百姓家はそれにひきかえなんとなしに陰気臭い。
— 梶井基次郎 『温泉』 青空文庫
作例 · 標準
彼は本名を隠し、SNS上では「影法師」という替え名を使って創作活動に励んでいる。
江戸時代の文人たちは、風流を解する仲間内だけで通じる風変わりな替え名を好んで用いた。
「表向きはこの替え名で通していますが、地元の古い友人からは今も本名で呼ばれます」と彼女は語った。
その武将は敵の追及を逃れるため、旅の僧侶に扮して各地で異なる替え名を名乗ったと伝えられている。
標準
assumed name of a customer in a brothel (for anonymity)
作例 · 標準
遊郭での遊びにおいて、身分を明かさないための「替え名」は欠かせない作法の一つであった。
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「今日からは別の替え名で呼んでおくれ。以前の名前は少々目立ちすぎる」
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馴染みの遊女には本名を教えていたが、店に対しては依然として替え名を通し続けている。
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帳簿に残された「替え名」から、かつての客たちの本当の社会的地位を推測するのは容易ではない。
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標準
stage name
作例 · 標準
襲名披露を機に、彼は師匠から譲り受けた由緒ある「替え名」で高座に上がることになった。
彼女は本名を伏せ、花柳界での「替え名」である「小雪」として座敷に上がっている。
追っ手を逃れるため、その浪人は行く先々の宿屋で異なる「替え名」を使い分け、正体をくらませた。
「あの作家、デビュー当時は替え名を使って別名義で執筆していたらしいよ」と、読書好きの友人が教えてくれた。