蛇性
じゃしょう
名詞
標準
文例 · 用例
上田秋成の「雨月物語」のうちに「蛇性の婬」の怪談のあることは誰も知つてゐるが、これは曲亭馬琴が水戸にいた人から聞いた話であるといふことで、その趣がやゝ類似してゐる。
— 岡本綺堂 『梟娘の話』 青空文庫
「蛇性の婬」は支那の西湖佳話の翻案であるが、これは馬琴が自ら筆記して、讃州高松藩の家老に送つたものであるから、まさかに翻案や捏造ではあるまいと思はれる。
— 岡本綺堂 『梟娘の話』 青空文庫
この『蛇性の婬』の話は、上田秋成の『雨月物語』の中でも最も傑出したものとせられているが、しかし、これは秋成の創作でなしに支那の伝説の翻案である。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
秋成の蛇性の婬は『西湖佳話』の飜案であるという事は今もいったが、円朝の怪談で有名な彼の『牡丹燈籠』は『剪燈新話』の中の『牡丹燈記』から出たもので、この牡丹燈記の話は、他にもいろいろな話になっている。
— 田中貢太郎 『怪譚小説の話』 青空文庫
もうこんな山|住居は、ぶるぶる嫌になったのも、みんなあなたの罪です――と云ったらびっくりするかも知れないけれど、蛇性の女に見込まれたのが因果、私を連れてここを逃げておくんなさいよ」「ええッ」 と新九郎はゾクリとした。
— 吉川英治 『剣難女難』 青空文庫
秋成の「雨月物語」は、ぼくの少年時の愛読書の一つだが、あの中でも「蛇性の婬」「菊花の約」「白峯」の三篇がわけてすぐれている。
— 吉川英治 『随筆 新平家』 青空文庫
その中でも「蛇性の淫」と「青頭巾」なんか、よく声を出して、僕に読み聞かせたものだ。
— 江戸川乱歩 『百面相役者』 青空文庫
蛇性の人 人生の裏側を探検することを生涯の事業とする影男にとって、地底パノラマ国の見聞は最も楽しい経験の一つであった。
— 江戸川乱歩 『影男』 青空文庫