届出
とどけで
名詞
標準
文例 · 用例
本月二日以来新患の届出でがないから。
— 伊藤左千夫 『牛舎の日記』 青空文庫
戸籍の届出は、音曲教師だというから、その通りなり、何とか記しようがありそうな処を、ぶっきらぼうに、「能職。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
幸なるかな、妾の姙娠中屡※診察を頼みし医師は重井と同郷の人にして、日頃重井の名声を敬慕し、彼と交誼を結ばん事を望み居たれば、此人によりて双方の秘密を保たんとて、親戚の者より同医に謀る所ありしに、義侠に富める人なりければ直ちに承諾し、己れ未だ一子だになきを幸ひ、嫡男として役所に届出でられぬ。
— 福田英子 『母となる』 青空文庫
届出人が無いところを見ると、被害者には身寄りが無いのだろうから、その首が見つかっても、身元は矢張わからないに相違ない。
— 佐左木俊郎 『三稜鏡』 青空文庫
……宮崎県では旅人の届出書に、旅行の目的を書かせる、なくもがなと思ふが、私は「行脚」と書いた、いつぞや、それについて巡査に質問されたことがあつたが。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
歿した月日の行状と異つてゐるのは、官府に呈する文書には届出の月日を記したためであらう。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
」此に二十六日と云つてあるのは届出の日である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
当時の事情を推測するに、京水瑞英の学術は漸く世間の認むる所となつて、官辺にもこれをして書を医学館に講ぜしめむとする議が起つたので、二世瑞仙は此届出をなさざることを得なかつたのであらう。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫