飛白
ひはく
名詞
標準
文例 · 用例
白芥子の花のような日光がちらり落ちる、飛白を水のおもてに織る、岩魚が寂莫を破って飛ぶ、それも瞬時で、青貝摺の水平面にかえる、水面から底まではおそらく、二、三尺位の深さであろうが、穂高岳を畳んで、延ばしたり、縮めたり、自在にする、水の底に白く透いて見えるのは、石英が沈んでいるのだ。
— 小島烏水 『梓川の上流』 青空文庫
その日、私は馬場との約束どほり、午後の四時頃、上野公園の菊ちやんの甘酒屋を訪れたのであるが、馬場は紺飛白の單衣に小倉の袴といふ維新風俗で赤毛氈の縁臺に腰かけて私を待つてゐた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
これは、と思うと、縁の突当り正面の大姿見に、渠の全身、飛白の紺も鮮麗に、部屋へ入っている夫人が、どこから見透したろうと驚いたその目の色まで、歴然と映っている。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
さて、亭主の口と盆の上へ、若干かお鳥目をはずんで、小宮山は紺飛白の単衣、白縮緬の兵児帯、麦藁帽子、脚絆、草鞋という扮装、荷物を振分にして肩に掛け、既に片影が出来ておりますから、蝙蝠傘は畳んで提げながら、茶店を発つて、従是小川温泉道と書いた、傍示|杭に沿いて参りまする。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
黒い毛のショオルにくるまって荒い飛白のコオトを着ていた。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
その日、私は馬場との約束どおり、午後の四時頃、上野公園の菊ちゃんの甘酒屋を訪れたのであるが、馬場は紺飛白の単衣に小倉の袴という維新風俗で赤毛氈の縁台に腰かけて私を待っていた。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
然し病弱でもあるし、當人もあまり氣が進まず、父もそれを可哀そうに思つて又家で紺飛白を着せて遊ばせてあつた。
— 梶井基次郎 『奎吉』 青空文庫
父親は美しい息子が紺飛白の着物を着て盃を銜むのを見て陶然とする。
— 岡本かの子 『鮨』 青空文庫
ウィキペディア曖昧さ回避
飛白 (ひはく)飛白体 - 書体の一つ。 (かすり)絣 - 織物。
出典: 飛白 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0