膜翅
まくし
名詞
標準
文例 · 用例
寺町で樹木が多いので到底市中とは思はれぬやうな昆虫類が棲息して去年は美しい鱗翅、脈翅、有吻、鞘翅、膜翅の類ひを居ながらにして八十種あまり採集した。
— 牧野信一 『魚籃坂にて』 青空文庫
僕がこの田舎にたどり着いた時分は、恰も僕の目指す膜翅類の花々しい活躍期であつた。
— 牧野信一 『ベツコウ蜂』 青空文庫
サイカチ(10)カブト(雄10、雌5)コガネ(1)カミキリ(3)タマムシ(5)△膜翅。
— 牧野信一 『真夏の朝のひとゝき』 青空文庫
私は早朝と、日中と、そして晩と山を越えて柳村へ来ては、蜂の巣の下に蹲跼して、時間に依る膜翅類の生活状態を観察し、撮影した。
— 「吾が昆虫採集記」の一節 『夜見の巻』 青空文庫
私の採集は膜翅から直翅に移つてゐたので、少なからず食指が動いたが、折角の姿勢と未曾有の恍惚状態を崩すのが惜しまれて尚も微動さへ浮べなかつた。
— 「吾が昆虫採集記」の一節 『夜見の巻』 青空文庫
そのとき中空に、膜翅類のむらがる幻影が、レリイフのやうに生じたのはなぜだらう。
— 高祖保 『希臘十字』 青空文庫