蘭科
らんか
名詞
標準
文例 · 用例
およそ最も高貴な蘭科植物の花などよりも更に遥かに高貴な相貌風格を具備した花である。
— 寺田寅彦 『高原』 青空文庫
その日の眞晝近く、地上のすべての事物は、人も、樹木も、家屋も、電柱も、また砂にまぎれる小蟻さへも、息を途絶えさすやうな劇しい暑さに疲れ果てて、ぢつと聲をひそめて立つてゐるやうに思はれるその眞晝近く、私は理科大學研究室の窓際の机に向つて、一所懸命に蘭科植物の葉色素研究の爲めに顯微鏡を覗き込んでゐた。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
蘭科の花の匂いが、閉て切ってあるここまで匂って来る。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
」 だが向って右手の硝子窓には黄の赤い蘭科の花の鉢が一つ、大きな素木のテエブルの上に載せてあって、その怪しげな生物が、またこの大陸風のこの雨の日の外光を思いきり吸いふくれていた。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
」「当時|御上に者御一体御強健に被為在候而、且蘭科御療治御薬差上候事故、漢科之者御供不仕候共、御用之|御間不欠儀と奉存候得共、誠に万々一之御備に漢科之者御供被仰付候儀と奉存候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
吾人は蘭科植物に於て、最も完全した最も調和した植物叡智の表現を見る。
— 牧野信一 『卓上演説』 青空文庫
ところで、この煎餅の表面の、後から糊で貼り着けたらしい小さな小豆を砕いた様な木の実だが、色々調べた結果、学名は日本産|大茴香、普通に莽草又はハナシバなぞと呼ばれる木蘭科の常緑小喬木の果実であってな。
— 大阪圭吉 『とむらい機関車』 青空文庫
一階は表へひらいた店になっていて、たくさんの花の鉢をならべ、また上からは蘭科の植物などをぶらさげてある絵までかいてあるのだった。
— 海野十三 『一坪館』 青空文庫