文使い
ふみづかい
名詞
標準
文例 · 用例
きょうはお役所で三文使い、火打袋には三十七文残っていなければならぬ筈のところ、二十六文しか残っていませんでしたから、それ、落したのは、いくらになるであろうか。
— 太宰治 『新釈諸国噺』 青空文庫
例えば鳩が文筥を咥えて来る夢において、その鳩、その文筥、文使い、という諸件については、その夢をみた人の心理に立入って推測すれば、不明白ながらも幾分かの解釈を得よう。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
結婚の後朝の使いとして特別な人を宮はお選びになったのではなく、これまで宇治へ文使いの役をしていた侍童だったのである。
— 総角 『源氏物語』 青空文庫
それにつけても憎いは侍従という女め、由ないことを父上の前で吹聴して、あまつさえ忍びの文使いの役目までも引き受くる。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
おまえ、誰袖に頼まれて、なにか内証の文使いでもするんじゃあねえか」「恐れ入りました」と、徳寿は見えない眼をとじて頭を下げた。
— 春の雪解 『半七捕物帳』 青空文庫
「お察しの通りでございます」「その文使いをする相手は誰だ」「それは辰伊勢の若旦那でございます」 半七と庄太は顔をみあわせた。
— 春の雪解 『半七捕物帳』 青空文庫
その文使いの役は徳寿であるので、彼が誰袖に可愛がられるのも無理はなかった。
— 春の雪解 『半七捕物帳』 青空文庫
「すると、その徳寿とかいう按摩はなんにも知らなかったんですね」「徳寿という奴は正直者で、誰袖の文使いをしたほかには、全くなんにも知らなかったようです」「その徳寿が辰伊勢の寮へ行くことを、なぜそんなにいやがったんでしょう。
— 春の雪解 『半七捕物帳』 青空文庫