花鋏
はなばさみ
名詞
標準
florist's scissors
文例 · 用例
そこに通り過ぎて行く園芸手の葛岡の姿を見かけ、右手に光る花鋏を見かけ、膝の上に落ちた葡萄の房の重みの量感から、このときはじめて何やらちらりと胸に当るものを覚えましたが、風は蕭々と吹き出し始めて、私の髪の毛といわず草の葉といわず揺らめき始めました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
しばらくすると、ちえ子さんのお母さんが花鋏を持ってお庭に降りておいでになりました。
— 夢野久作 『白椿』 青空文庫
栽縫箱には柄を赤く塗つた花鋏があつた。
— 田中貢太郎 『あかんぼの首』 青空文庫
」 彼は、よくは知らないが、また失礼だなどゝ云はれるのも厭な気がして、異人流を重んじてやるつもりで、厭々ながら花鋏を取つて、小さな裏の畑から胡瓜を剪つて来た。
— 牧野信一 『或る五月の朝の話』 青空文庫
若侍二人、一人は花鋏を持ち、一人は如雨露を持ちて、枝折戸のそばに立ち、四目垣にからみたる朝顏に水をやつてゐる。
— 岡本綺堂 『箕輪の心中』 青空文庫
」との申しつけ、やがて出されたは黒塗りの見事な膳部に誂えの品々、別に鉢植えの茄子に花鋏一挺が添えてある。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
植木鉢をいじる人は花鋏の人よりもはるかに人情がある。
— 茶の本 『茶の本』 青空文庫
わけても、田圃の不動堂が、延宝の昔以来の姿をとどめていた頃の事であるから、数奇を凝らした尾彦楼の寮でさえも、鳥渡見だけだと、何処からか花鋏の音でも聴えて来そうであって……、如何さま富有な植木屋が朝顔作りとしか、思われない。
— 小栗虫太郎 『絶景万国博覧会』 青空文庫
作例 · 標準
生け花教室で、先生は慣れた手つきで花鋏を使い、枝を整えていった。
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新しい花束を買ってきたので、切れ味の良い花鋏で茎を斜めに切り、花瓶に飾った。
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錆びた花鋏では茎を潰してしまうので、定期的に研ぐか、新しいものに買い替える必要がある。
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