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迷執

めいしゅう
名詞
1
標準
文例 · 用例
「霧たちこめし水の面に、二ツの光りてらすなり、友におくれし螢火か、はた亡き魂かあはれ/\」と一面惨絶の光景を画きて、先づ幽魂の迷執をうつす。
北村透谷 「桂川」(吊歌)を評して情死に及ぶ 青空文庫
宗教的迷執|云々は第二にしても、いまロンドンを震愕せしめている「斬裂人のジャック」が、かなり的確な解剖学的知識の所有主であり、また経験ある執刀家であることは疑いをいれない。
牧逸馬 女肉を料理する男 青空文庫
なるほど、犯人は一事狂者で、ある一つの迷執に駆られてこの犯行を重ねているということは肯定しうるが、しかし、ウィンスロウ博士が想定しているような、意力の加わらない、いわば夢遊病者のごとき発作的錯乱者が、明白なる殺人の目的の下に、兇器を隠し持って夜の巷をさまようだろうか。
牧逸馬 女肉を料理する男 青空文庫
黄金のうずたかきところ、醜きまでにあらわな我欲|迷執の集まることは、古今その軌を一つにする。
日光の巻 丹下左膳 青空文庫
茶壺というものに対して、魔のような迷執を持ちはじめた丹下左膳、ただ、壺を手にすればいいのだ。
日光の巻 丹下左膳 青空文庫
一つ事に迷執を抱き、身、別世界にある思いの左膳は、朝夕夢のこけ猿を追って、流れ流れてふたたび江戸へ……。
日光の巻 丹下左膳 青空文庫
物をあつめてよろこぶ人が、一つことに気をつめた末、往々にして捉われる迷執である。
乾雲坤竜の巻 丹下左膳 青空文庫
素人八卦は当ったのかわれながら不思議なぐらいだが、幽明の境を弁えぬ凝性の一念迷執、真偽虚実を外に、これはありそうなことだと藤吉は思った。
巷説蒲鉾供養 釘抜藤吉捕物覚書 青空文庫