盂
盂
名詞
標準
文例 · 用例
分けて、盂蘭盆のその月は、墓詣の田舎道、寺つづきの草垣に、線香を片手に、このスズメの蝋燭、ごんごんごまを摘んだ思出の可懐さがある。
— 泉鏡花 『二、三羽――十二、三羽』 青空文庫
時は盂蘭盆にかかって、下町では草市が立っていよう。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
……お米さん、私は、おなじその年の八月――ここいらはまだ、月おくれだね、盂蘭盆が過ぎてから、いつも大好きな赤蜻蛉の飛ぶ時分、道があいて、東京へ立てたんだが。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
」 辻町は、あの、盂蘭盆の切籠燈に対する、寺の会釈を伝えて、お京が渠に戯れた紅糸を思って、ものに手繰られるように、提灯とともにふらりと立った。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
盂蘭盆の夜が更けて、燈籠が消えた時のように、羽織で包んだ初路の墓は、あわれにうつくしく、且つあたりを籠めて、陰々として、鬼気が籠るのであったから。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
もんてん、こゝろウぶとウ―― 續いて、荻、萩の上葉をや渡るらんと思ふは、盂蘭盆の切籠賣の聲なり。
— 泉鏡花 『寸情風土記』 青空文庫
「盂蘭盆の日の間は、私の家では白張りの大きな切子灯籠を座敷の外の軒に掲げることになっております。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
「盂蘭盆の日でした。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫