無党
むとう
名詞
標準
文例 · 用例
露西亜では虚無党が爆裂弾を投げている。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
罵倒すべき者あり、爆発弾を行る虚無党が敵を倒す時に自らも共に倒れて、同じく硝煙の中に露と消ゆるの趣味を能く解せば、いざ語らむ、現社界とは言はず、幾千年の過去より幾千年の未来に亘る可き人間の大不調子、是なり。
— 北村透谷 『「油地獄」を読む』 青空文庫
その外にも二葉亭を頼って来た露国の虚無党亡命客が二、三人あった。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
二葉亭はかつてヘルチェンやビェリンスキーに傾倒して虚無党思想についての多少の興味をも持っていたから、帝国主義を懐抱して日本の膨脹を夢見つつも頭の隅の何処かで渠らと契合していたかも知れぬが、それ以外に渠らを利用して国際的芝居を一と幕出そうとする野心が内々あったらしい。
— 内田魯庵 『二葉亭四迷の一生』 青空文庫
帝政論派の主義によれば帝室内閣こそ至当の制なるがごとし、彼その説の大要にいわく、「政党内閣は党派政治となり、一変して偏頗の政治となり、ついに言うべからざるの弊害を生ぜん、帝室内閣は党派に偏せずいわゆる無偏無党、王道蕩々の美政を維持するに足らん云々」と。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
結局、学校の生徒をして政治社外に教育せんとするには、その首領なる者が、真実に行政の外にありて、中心より無偏・無党なるに非ざれば、かなわざることと知るべし。
— 福沢諭吉 『学問の独立』 青空文庫
当時もしこの開成校をして幕府の政権を離れ、政治社外に逍遥して真実に無偏・無党の独立学校ならしめ、その教員等をして真実に豪胆独立の学者ならしめなば、東征の騒乱、何ぞ恐るるに足らんや。
— 福沢諭吉 『学問の独立』 青空文庫
無偏・無党の帝室は、帝国の全面を照らして、そのいずれに厚からず、またいずれに薄からず、帝室より降臨すれば、政治の社会も学問の社会も、宗旨も道徳も技芸も農商も、一切万事、要用ならざるものなし。
— 福沢諭吉 『学問の独立』 青空文庫