舂く
うすずく
動詞
標準
文例 · 用例
……烏帽子を被った鼠、素袍を着た猿、帳面つける狐も居る、竈を炊く犬も居る、鼬が米舂く、蚯蚓が歌う、蛇が踊る、……や、面白い世界じゃというて、殿たちがものとは較べられぬ。
— 泉鏡花 『吉原新話』 青空文庫
組の者が役割をきめる時には、その時々によつて、駿介にも、鏡餅を舂く役とか、神酒としての甘酒を作る役とか、部落の各戸から米を集めて※る役とか、五目ずしを作る役とか、さういふ役が割り當てられる。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
病氣の起る間が遠ざかれば時としては木の根を掘りに行くこともあつたり一日かゝつて米の一臼位は舂くこともあるが、何處でぶつ倒れるか分らないので殊にお袋の心配は止む時がない。
— 長塚節 『芋掘り』 青空文庫
現に今生き残っている三番目の兄などは、その米を舂く音を始終聞いたと云っている。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
したがって十七世紀に仏人バーボーが西アフリカのシエラ・レオナで目撃した大猴バリの幼児を土人が捕え、まず直立して歩むよう教え、追い追い穀を舂く事と、瓢に水を汲んで頭に載せ運び、また串を廻して肉を炙る事を教えたというも事実であろう(一七四五年板、アストレイの『新編航記紀行全集』二巻三一四頁)。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
台所の庭の方から、遠く寂しく地響のやうに聞えるは、庄馬鹿が米を舂く音であらう。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
ところが、三月になつて、年米を舂く時に、稻舂き女たちに間食をやらうと家室さんが碓屋にはいつてゆくと、彼の犬の仔が吠えておつかけた。
— 長谷川時雨 『春宵戲語』 青空文庫
徳久利でどうして舂くのかといったら、薬研では玄米が破けてしまうから、貧乏徳久利で舂くのだといった。
— 長谷川時雨 『朝散太夫の末裔』 青空文庫