浮かり
うかり
副詞
標準
carelessly
文例 · 用例
凝と、……視るに連れて、次第に、緩く、柔かに、落着いて弧を描きつつ、その円い線の合する処で、またスースーと、一寸二寸ずつ動出すのが、何となく池を広く大きく押拡げて、船は遠く、御幣ははるかに、不思議に、段々|汀を隔るのが心細いようで、気も浮かりと、紫玉は、便少ない心持がした。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
」とうっかり、あみ棚に預けた夏帽子の下で素頭を敲くと、小県はひとりで浮かり笑った。
— 泉鏡花 『燈明之巻』 青空文庫
凝と、……視るに連れて、次第に、緩く、柔かに、落着いて弧を描きつゝ、其の円い線の合する処で、又スースーと、一寸二寸づゝ動出すのが、何となく池を広く大きく押拡げて、船は遠く、御幣は遙に、不思議に、段々|汀を隔るのが心細いやうで、気も浮かりと、紫玉は、便少ない心持がした。
— 泉鏡花 『伯爵の釵』 青空文庫
」と卒業生はつい浮かり口を滑らした。
— 大正五(一九一六)年 『茶話』 青空文庫
でも、何かの話の拍子に大阪の雀鮨が好きだと、つい浮かり口を滑らしたので、その男はもう占めたものだと思つた。
— 大正七(一九一八)年 『茶話』 青空文庫
」「金がないと商賣ができないのだ、自分でも浮かり使へない金ばかりさ。
— 室生犀星 『命』 青空文庫
されども渠は危うかりしとも思わず、昼の暑さに引き替えて、涼しき真夜中の幽静なるを喜びつつ、福井の金主が待てる旅宿に赴かんとて、そこまで来たりけるに、ばらばらと小蔭より躍り出ずる人数あり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
「省さんは先へいったのかしら、それともまだであとから来るのかしら」 こう思うのも心のうちだけで、うかりとしているお千代には言うてみようもなく、時々目をそらしてあとを見るけれど、それらしい人も見えない。
— 伊藤左千夫 『春の潮』 青空文庫
作例 · 標準
例句