焼長
しょうちょう
名詞
標準
文例 · 用例
そして各地の炭焼長者譚に炭焼が黄金を発見して長者になったという譚の筋の伴っているのは、この関係を語ったものであろう。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
社会に相当の地位を得たものがその家柄をよくしたいというのは古今変らぬ人情で、山子出の炭焼長者も三代五代と経って来るうちには、その祖先についていろいろの由緒を作り出して、炭焼は炭焼でもただの炭焼ではなかった、もとは由緒あるものの末であったとか、その実何某貴人の落胤であったのだなどと云い出す。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
かくして終には炭焼長者も名と実とをともに具備して、押しも押されもせぬ立派な身分になるのである。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
五 炭焼長者譚の成生 長者物語は各地の長者屋敷と呼ばれる遺蹟に附随して殆ど到る処にあると云ってよい。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
山住まいが羨しいと、見ぬ果報に憧憬れる都住まいの慾張り連の夢としては、炭焼長者の物語は恰好の産物である。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
そこへ鄙のエビスの成功者が氏族の改良身分の向上を希図する慾望から、系図を仮托し良家の婦を迎えるというお極りの道行きが加わって来たのがこの炭焼長者譚である。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
六 結語 炭焼長者の出世物語は世にありふれた俗伝として、ハハアここにもあるのかと軽く笑ってすます程度のものではあるが、これを民族上より観察すれば、我が国において、天津神の系統と国津神の系統とが、渾然融和して区別なきに至った道筋を示すものとして、尊重せねばならぬものではあるまいか。
— 系図の仮托と民族の改良 『炭焼長者譚』 青空文庫
佐喜真興英君の『南島説話』に、奥州北陸にも伝わっているところの炭焼長者の物語の一例を挙げて、雀が次のような歌を以て女房に未来の幸福を教えたという話を述べている。
— 野鳥雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫