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紅雨

こうう
名詞
1
標準
文例 · 用例
この事は已に『冷笑』と題する小説中|紅雨という人物を借りて自分はつぶさにこれを記述した事がある。
永井荷風 霊廟 青空文庫
紅雨の最も感動したのは、かの説明者が一々に勿体つける欄間の彫刻や襖の絵画や金箔の張天井の如き部分的の装飾ではなくて、霊廟と名付けられた建築とそれを廻る平地全体の構造配置の法式であった。
永井荷風 霊廟 青空文庫
紅雨は生涯忘れない美的感激の極度を経験したと信ずる巴里の有名なる建築物に対した時の心持に思い較べて、芝の霊廟はそれに優るとも決して劣らぬ感激を与えてくれた事を感謝した。
永井荷風 霊廟 青空文庫
なおそれのみに止まらず、紅雨は門と玉垣によって作られた二段三段の区劃を眺めてメエテルリンクやレニエエなどが宮殿の数ある柱や扉によって用いたような象徴芸術の真髄を会得したようにも感じた。
永井荷風 霊廟 青空文庫
正にこれ「蒲緑榴紅雨霽時。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫
」〔蒲ハ緑榴ハ紅雨|霽ルル時〕にして、江戸の町々には鍾馗を画いた幟がひらめいていた。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫