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赤蕪

あかかぶ
名詞
1
標準
文例 · 用例
七 小春の身を、背に庇って立った教授が、見ると、繻子の黒足袋の鼻緒ずれに破れた奴を、ばたばたと空に撥ねる、治兵衛坊主を真俯向けに、押伏せて、お光が赤蕪のような膝をはだけて、のしかかっているのである。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
ある店では、ショウウィンドーの中に、焼串に鴫を刺して赤蕪や和蘭芹と一しょに皿に並べてあった。
岡本かの子 食魔 青空文庫
……春光うら/\、駅まで歩いて行く、京都の豊田さんからの贈物――赤蕪漬――を受け取つて、いそ/\その桶を抱いて戻つた、途中和蕾居と一洵居とに寄つて句会のことを相談して取極めた。
種田山頭火 松山日記 青空文庫
これぢやあこの人の名前は、ツイブーリャ(玉葱)ではなくて、ブーリャク(赤蕪)か、それとも、こねえに人を嚇かしやあがつた、あのとでも言つた方がよかんべいに。
VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI ディカーニカ近郷夜話 前篇 青空文庫
野菜を貯えたり、赤蕪を漬けたりすることは、半蔵の家でも年中行事の一つのようになっていた。
第一部上 夜明け前 青空文庫
久慈は塩野のその覚悟の美しさに瞬間はッとなったが、事態はそこまで自分にも迫って来ているのかと思い吐息をつくと、しばらく黙って赤蕪を噛っていた。
横光利一 旅愁 青空文庫
真中に鈴白の札立てたるは葉五、六寸ばかりの赤蕪にて紅の根を半ば土の上にあらはしたるさま殊にきはだちて目もさめなん心地する。
正岡子規 墨汁一滴 青空文庫
庭には畠が出来ていて、お芋(これはやや可)大根(これは全く未知数)赤蕪(肥って良)などが出来ています。
一九四二年(昭和十七年) 獄中への手紙 青空文庫