風通
ふうつう
名詞
標準
文例 · 用例
れいの番頭さんに引率されて僕たち五人は薄暗い廊下を二曲りもして、風通しのよい洋室に案内された。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
ただ、学芸にたずさわる団体は時々何かしらかなり根本的な革新を企てて風通しをよくし、黴の生えないようにする必要があるという至極平凡なことを、やや強く表現しようとしただけのことである。
— 寺田寅彦 『二科展院展急行瞥見記』 青空文庫
ひどい暑がりにて、その住居も、風通しのよき事をのみ考えて設計せしが、光線の事までは考え及ばざりしものの如く、今に残れるその家には、暗き部屋幾つもありというのも哀れである。
— 太宰治 『盲人独笑』 青空文庫
その電車は床の上に何本かの柱があって風通しの為めに周りの囲い板はなく僅に天蓋のような屋根を冠っているだけである。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
お定の臥ていた部屋は寺田屋じゅうで一番風通しがよかった。
— 織田作之助 『螢』 青空文庫
そこはゴミゴミした町中で、家が建てこみ、風通しが悪かったが、ことにその部屋は西向き故、夏の真夏の西日がカンカン射し込むのだった。
— 織田作之助 『道なき道』 青空文庫
それとも面の歪むのがいやなら、風通しの悪いその脳味噌に、風穴を一つあけてやろうか」 拳銃を握った手がいきなり豹吉の頭へ伸びて来た。
— 織田作之助 『夜光虫』 青空文庫
風通しの良い部屋をと言うと、二階の薄汚い六畳へ通された。
— 織田作之助 『秋深き』 青空文庫