熱砂
ねっさ
名詞
標準
hot sand
文例 · 用例
なまじっかなこと云い出せないもの」 じりじりと照りつける陽の光と腹匍いになった塚の熱砂の熱さとが、小初の肉体を上下から挟んで、いおうようない苦痛の甘美に、小初を陥れる。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
東京の真中で大びらに恋をしよう、ね」 小初の涙が薫の手の甲を伝って指の間から熱砂のなかに沁み入った。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
これだけで芝居のうそが生かされて熱砂の海が眼前に広げられる。
— 寺田寅彦 『映画時代』 青空文庫
兵隊の旗も土人の子もみんな熱砂の波のかなたにかくれて、あとにはただ風の音に交じってかすかにかすかに太鼓とラッパの音が残り、やがてそれも聞こえなくなるのである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
これがある時は石畳みの街路の上に、ある時は岩山の険路の上にまたある時は砂漠の熱砂の上に、それぞれに異なる音色をもって響くのである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
そうして観客の眼前でこの行列とそれに従うヒロインとは熱砂の波のかなたにありありと完全に消えてしまうのである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
八月 月のはじめに秋立てば、あさ朝顏の露はあれど、濡るゝともなき薄煙、軒を繞るも旱の影、炎の山黒く聳えて、頓て暑さに崩るゝにも、熱砂漲つて大路を走る。
— 泉鏡太郎 『五月より』 青空文庫
空は、熱砂の嵐のように、赤黒く濁っていた。
— 海野十三 『第五氷河期』 青空文庫
作例 · 標準
灼熱の太陽が照りつける熱砂の砂漠を旅した。
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足元に広がる熱砂は、サンダル越しにも熱さを感じさせた。
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熱砂の地で生きる植物は、水分を効率よく蓄える能力を持っている。
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