新しみ
あたらしみ
名詞
標準
文例 · 用例
すもゝ実るみなみ独逸のたかき国の中にありといふミユンヘンの町 その語句に於て着想に於て、その題目に於て、何等の巧みも新しみもあるのではない。
— 伊藤左千夫 『歌の潤い』 青空文庫
」五十二 けれどそんなベッドの新しみは、長く続かなかった。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
その上ハルトマンの細かい倫理説を見た目には、所謂評価の革新さへ幾分の新しみを殺がれてしまつたのである。
— 森鴎外 『妄想』 青空文庫
そして歸つて來て書く原稿は、若い記者のよくやるやうな、頭つ張りばかり強くて、結末に行つて氣の拔けるやうなことはなく、穩しい字でどんな事件でも相應に要領を書きこなしてあるが、其の代り、これといふ新しみも、奇拔なところもない。
— 石川啄木 『我等の一團と彼』 青空文庫
彼女は、自分自身の考で、名誉とか新しみとか云うものを私に加えるためやって下さったのだろう。
— 一九二二年(大正十一年) 『日記』 青空文庫
此位の自然観は、大体記録の順序通りに、此天皇の頃の物と見てもよろしい様だが、仁徳天皇に関係した歌謡は、全体として雄略・顕宗朝頃のものよりも、表現にも、形にも、理会程度からも、新しみを持つて居ると見られる。
— 折口信夫 『叙景詩の発生』 青空文庫
大阪だつて、無批判にすべてを受け入れる群集の町であるが、京都となると、「ぢみ」な生活の上に幾分の新味を求める気持ちから、理会が出来て、さうした上に、舌の上にどれだけか新しみの残る様な平俗な芸道に、自然に尊敬を持つて来たと見える。
— 折口信夫 『芝居の話』 青空文庫
先代の殿様が、醜男であったにも拘らず、美しいお女中を口説いたところが、そのお女中には別に思う男があって靡かない、それで殿様が残念がって、あの土蔵の中で弄り殺しにしてしまったという、あんまり新しみのない筋書の化物が出されてから久しいこと。
— 黒業白業の巻 『大菩薩峠』 青空文庫