抑々
抑々
名詞
標準
文例 · 用例
抑々「象徴」とは何だろうか?
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
抑々私は測鉛のやうに、身自らの重量に浸つてゐることのほか、何等の興味を感じない。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
凡そ心も精神もなしに、あの警句とこの警句との、ほんの語義的な調停を事としてゐて、それで批評だの学問だのと心得てゐる奴が斯くも多いといふことは、抑々、自分の心が要求しはしなかつた学問を、本屋に行けば本があつたからしたんでさうなつたんだ。
— 中原中也 『散歩生活』 青空文庫
――大正四年の初め頃だつたか終頃であつたか兎も角寒い朝、その年の正月に亡くなつた弟を歌つたのが抑々の最初である。
— 中原中也 『我が詩観』 青空文庫
教場でこそあれ、二人だけで口を利くのは、抑々生れて以来|最初である。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
サの字千鳥三十三「何だか、唐突に謎見たような事だけれど、それが今夜の事の抑々というのだから、恥辱も忘れて話すんだがね…… 上野から日本橋へ来る電車――確か大門行だったと思う――品川行にした処で、あの往復切符、勿論乗換札じゃないのだよ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
美顏術に到りては抑々末也。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
ただ同君の前期の仕事に抑々亦少からぬ衝動を世に与えて居ったという事を日比感じて居りましたまま、かく申ます。
— 幸田露伴 『言語体の文章と浮雲』 青空文庫