髪止
かみとめ
名詞
標準
文例 · 用例
長くして束ねた髪、そして髪止めが、彼にはよく似合っていた。
— 片岡義男 『夏と少年の短篇』 青空文庫
彼の髪が髪止めで束ねてあるのを、彼女は確認した。
— 片岡義男 『夏と少年の短篇』 青空文庫
いま彼が使っている髪止めは、長くした髪を彼がうしろで束ねはじめたとき、真理子が彼にあげたものだ。
— 片岡義男 『夏と少年の短篇』 青空文庫
もんぺを穿き、白の髪止めをしめた一|団の少女たちが、ひとりの童の手足をもってたすけあい、森から沢へ、沢から渓流へ、浅瀬をわたってザブザブと峡の向こうへよじのぼる。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
――先なる一壮漢は、狭霧の薄戦衣に、虎頭を打ち出した金唐革の腹巻に、髪止めには銀のはちまきを締め、おぼろめく縒絨の剣帯へ利刀を横たえ、騎馬|戛々、ふと耳をそばだてた。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
ある者は白木綿で髪止めをしている。
— 谷干城夫人 『日本名婦伝』 青空文庫
腹がすいて、胃ぶくろの暴れぬくうちは、まだ体をうごかすとそれを忘れて戦えたが――」 暮れかけている塹壕の上へ、凛々しい髪止めをし、襷をかけた婦人たちの一群が、数箇のバケツをさげて降りて来た。
— 谷干城夫人 『日本名婦伝』 青空文庫
そして黄ばんだ白髮の薄い束は髮止から拔け落ちて、その哀れな取り亂した姿を殘りなく描き出した‥‥七 その夕方、彼女を訪ねて來たゴオドは、彼女が頭飾もなく、兩腕を垂らして、壁石に頭をつけて、顏を顰めながら、小さな子供のやうにヒイ、ヒイ、ヒイと悲しげにすゝり泣きをしてゐるのを見出した。
— PECHEURS D'ISLANDE 『氷島の漁夫』 青空文庫