花妻
はなづま
名詞
標準
文例 · 用例
兄世に名も高く響きつる秀才の人にめあはせて、げにふさはしき花妻と、歌ひはやさん日は何日か。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
鳴子引淀の河原の 雨|催ひ荻の真白き 穂はそよぐいそげ河原の 川舟に菅の小笠の 鳴子引河原|鶸鳴く 淀川の小笠かづぎし 花娘河原|蓬の 枯れし葉にかへる小舟の 艪が響く唄へ 花妻 花娘淀の川舟 日が暮れる菅の小笠に 三日月の眉をかくせる 鳴子引。
— 野口雨情 『別後』 青空文庫
機屋の窓助さん助さん この助さん東に花妻 真中に川端柳の 木の枕助さん助さん この助さんくぐもり小浜の 海の音は機屋の窓まで 響くぞへ。
— 野口雨情 『別後』 青空文庫
小説は「萩の花妻名誉の一本」を発表してもらえることになっていた。
— 長谷川時雨 『田沢稲船』 青空文庫
見たゞけの妻――妻でありながら、手も触れられない妻と云ふのが、花妻である。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫
萩の花妻と言ふのは、普通の解釈では、萩の花は鹿の花妻で、鹿の連合ひと言ふのだとして居るが、落着かない考へだ。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫
足柄の箱根の嶺ろのにこ草の 花妻なれや、紐解かず寝む(万葉巻十四)は、花妻なれば知らぬこと、花妻でないから、紐解かずに寝られないと言ふ意味である。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫
花妻の「花」と言ふのが、古い語の意味に近い。
— 折口信夫 『花の話』 青空文庫