顔一
かおいち
名詞
標準
文例 · 用例
同時に、蛇のように、再び舌が畝って舐め廻すと、ぐしゃぐしゃと顔一面、山女を潰して真赤になった。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
あの顔一目で縮み上る…… が、大人に道徳というはそぐわぬ。
— 泉鏡花 『茸の舞姫』 青空文庫
※たけた祖母の白い顔の、額の両端から小さい波がちりちりと起り、顔一めんにその皮膚の波がひろがり、みるみる祖母の顔を皺だらけにしてしまった。
— 太宰治 『玩具』 青空文庫
あと仕末はトヨ公が、いやな顔一つせず、ねんごろにしてくれました。
— 太宰治 『女類』 青空文庫
顔一めんが暗紫色、口の両すみから真白い泡を吹いている。
— 太宰治 『狂言の神』 青空文庫
女は、さっと顔一面に嫌悪の情をみなぎらせたが、急に、それを自覚して、かくすように、「いらっしゃいまし。
— 黒島傳治 『老夫婦』 青空文庫
鉄砂の破片が、顔一面に、そばかすのように填りこんだ者は爆弾戦にやられたのだ。
— 黒島傳治 『氷河』 青空文庫
後ろを振り向いて破顔一笑したのはまさしく正作。
— 国木田独歩 『非凡なる凡人』 青空文庫