残忍性
ざんにんせい
名詞
標準
brutal (nature)
文例 · 用例
私は、人の三倍も四倍も復讐心の強い男なのであるから、また、そうなると人の五倍も六倍も残忍性を発揮してしまう男なのであるから、たちどころにその犬の頭蓋骨を、めちゃめちゃに粉砕し、眼玉をくり抜き、ぐしゃぐしゃに噛んで、べっと吐き捨て、それでも足りずに近所近辺の飼い犬ことごとく毒殺してしまうであろう。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
私のそれからの境涯に於いても、いつでもこの女の不意に発揮する強力なる残忍性のために私は、ずたずたに切られどおしでございました。
— 太宰治 『男女同権』 青空文庫
けれども、美しく高ぶつた処女の残忍性には限りが無い。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
メリメ、ゴオゴリほどの男でも、その生存中には、それを敢えてしなかったし、後世の人こそ、あの小説の悪魔は、ゴオゴリ自身であるとか、メリメその人の残忍性であるとか評して、それはもう古典になれば、どちらでもかまわないことなのである。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
そうして見ると、愚直そのものと思われる顔にも、どこかに根ぶとい狡猾性がひそんでいなければならないし、虫も殺さないような美しさの中にも、人に面を背けさせるような残忍性が、ひそんでいなければならない筈である。
— 菊池寛 『奉行と人相学』 青空文庫
虫も殺さないような美人の顔の中にも、一点その残忍性をあらわす特徴などを、見つけるようになっていた。
— 菊池寛 『奉行と人相学』 青空文庫
とはいえ、以前よりの方針を守り、関心の元が犯罪の残忍性になるものよりも、解決が見事かつ劇的であったものを選ぶことにしたい。
— THE ADVENTURE OF THE SOLITARY CYCLIST 『自転車乗りの影』 青空文庫
隠れた暴悪と残忍性とが、薄い皮一重のやさしさと美しさとで蔽われているのであるから物凄い。
— 素木しづ 『惨事のあと』 青空文庫
作例 · 標準
犯罪の態様から、犯人の異常な残忍性が浮き彫りになった。
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この描写は、戦争が持つ残忍性を包み隠さず伝えている。
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幼少期の環境が、彼の内なる残忍性を育んでしまったのだろうか。
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