掘り出し
ほりだし
名詞
標準
文例 · 用例
秋山は子供を六人拵えて、小林は三人拵えて、秋山は稍ずるく、小林は掘り出した切り株の如く「飛んでもねえ世の中」を渡っていた。
— 葉山嘉樹 『坑夫の子』 青空文庫
誰か、どこかで、原人の尻尾の化石でも掘り出して見せる日本人はないものだろうか。
— 寺田寅彦 『鑢屑』 青空文庫
そんなものの二つか三つも掘り出したら、排日問題などは容易に解決されるにちがいない。
— 寺田寅彦 『鑢屑』 青空文庫
三 運慶が木材の中にある仁王を掘り出したと云われるならば、ブローリーやシュレディンガーは世界中の物理学者の頭の中から波動力学を掘り出したということも出来るであろう。
— 寺田寅彦 『スパーク』 青空文庫
ニュートンがその一つの破片を掘り出し、フレネル、ホイゲンス等はもう一つの欠けらを掘り出した。
— 寺田寅彦 『スパーク』 青空文庫
一体これらの言葉あるいはそれに相当する抽象的な概念は自然その物に内存していて、われわれはただ自然の中からそれを掘り出しまたは拾い出しさえすれば宜いものであろうか。
— 寺田寅彦 『言語と道具』 青空文庫
ただの「人間の言語」だけであった昔の自然哲学は、これらの道具の掘り出した「自然自身の言語」によって内容の普遍性を増して行った。
— 寺田寅彦 『言語と道具』 青空文庫
つまらない事ではあるが、拘留された俘虜達が脱走を企てて地下に隧道を掘っている場面がある、あの掘り出した多量な土を人目にふれずに一体どこへ始末したか、全く奇蹟的で少なくも物質不滅を信ずる科学者には諒解出来ない。
— 寺田寅彦 『映画雑感6』 青空文庫