饋
饋
名詞
標準
文例 · 用例
高岡に住めるその母は、箸を控えて渠が饋餉を待てり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
それから満枝は益す禿の寵を得て、内政を自由にするやうになつたから、定めて生家の方へ貢ぐと思の外、極の給の外は塵葉一本|饋らん。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
私に人に饋ものすべからず。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫
又私に人に饋ものす可らずと言う。
— 福沢諭吉 『女大学評論』 青空文庫
また支那從來の風俗として女子は中饋を掌つて、外事に干與せざるを美徳としてあつたが、現今の女學生などは、中※そんな奴隷根性を持ぬと主張する。
— 狩野直喜 『支那近世の國粹主義』 青空文庫
若夫れ思うて君の私に及べば、君が往年鼓盆の興ありしより、門庭寂寞、中饋人なく、父子相依り、懽少なくして苦多く、晨米暮鹽、君の料理に歸し、弱息穉子、君が撫育を待てり。
— 狩野直喜 『祭原教授文』 青空文庫
郊外に隠棲している友人が或年の夏小包郵便に托して大きな西瓜を一個饋ってくれたことがあった。
— 永井荷風 『西瓜』 青空文庫
わたくしは折角西瓜を人から饋られて、何故こまったかを語るべきはずであったのだ。
— 永井荷風 『西瓜』 青空文庫