振り撒く
ふりまく
動詞
標準
文例 · 用例
わたくしがもしそれを肯んじても、直ぐ相手の男に飽きられるか、自らあくがれ出て、その博愛を多くの男に振り撒く性だと言います。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
そうしたら、武雄の刑事が喰い付いて来たから、妾ここで振り撒くつもりで降りたらモウ一人福岡署から加勢が来ている上に、アンタまで跟けて来るんだもの。
— 夢野久作 『山羊髯編輯長』 青空文庫
だが、先づ煙草を振り撒くに先きだつて、誰かをりはせぬかと、よくよくあたりを見まはしたものだ。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
八笑人といふやうな、まるで笑の團隊のやうな人達もあれば、彌次郎兵衞、喜多八のやうに行く先に笑を振り撒く二人組の旅行者もある。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
そしてそのときになつたら、あたしあなたからお金をとつて、それをみんな、あたしと一緒に働いてゐる人達に振り撒くの。
— 横光利一 『七階の運動』 青空文庫
あたしが一寸愛嬌を振り撒くと、また一枚と来るんでせう。
— 横光利一 『七階の運動』 青空文庫
それから、抽出から香水を取り出して蒲団の襟首へ振り撒くと、また静に参木の胸へ額をつけて円くなった。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
彼は湧き上る過去に對する愛着心を振り撒くために周圍の人々の顏を見廻した。
— 横光利一 『悲しみの代價』 青空文庫