野蚕
やさん
名詞
標準
wild silkworm
文例 · 用例
これを結びたる天糸は、本磨き細手の八本|撚りにて、玲瓏たる玉質、水晶の縄かとも見るを得べく、結び目の切り端の、処々に放射状を為すは、野蚕の背毛の一|叢の如し。
— 石井研堂 『大利根の大物釣』 青空文庫
ぼんやりした景色のなかで、白いくるまやさんの足はいそげども、ゆくゆく車輪がさかさにまわり、しだいに梶棒が地面をはなれ出し、おまけにお客さまの腰がへんにふらふらとして、これではとてもあぶなさうなと、とんでもない時に春がまつしろの欠伸をする。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
僕先づ出|陣に及んで何と四|勝一|敗、すつかり得|意になつてゐると、つい二三日前には口|惜しさの腹癒やさんずと向うから來|戰に及んで何と三|敗一|勝、物の見事に復讐されてしまつた。
— ―將棋いろいろ― 『下手の横好き』 青空文庫
時しもあれやさんとして、 身を顫はする学の長、雪刷く山の目もあやに、 たゞさんとして身を顫ふ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
そこで、蟹のとこやさんは、はさみをもって海っぱたにやっていきました。
— 新美南吉 『蟹のしょうばい』 青空文庫
わらべらの願いはこれらの獲物を燃やさんことなり。
— 国木田独歩 『たき火』 青空文庫
「心の切り方が悪いからよ」と婆やはたしなめる様に云うと、おすめは其には答え無いで突立ったまま、何処を睨むか見当の付かない様な斜視の眼を据えて、「婆やさんの長湯にも呆れるなあ、やあ垢擦りだ、やあ糠だのって」と云って口を尖らした。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
こんなことの外によくかやは「神主の藤さんと婆やさんがなあ」など云う様なことを、おすめなどの口から聞いて居る。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
作例 · 標準
養蚕(ようさん)とは異なり、野外で育つ野蚕から取れる絹糸は独特の風合いがある。
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山を歩いていると、クヌギの枝に野蚕の繭(まゆ)がぶら下がっているのを見つけた。
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野蚕の糸で織られた布は丈夫で美しく、高級品として珍重されている。
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ウィキペディア
野蚕(やさん)は、家畜化された蚕(家蚕)の対義語で、絹糸を生成する野生の昆虫のうち人間が利用してきたものの総称である。野蚕からとった絹糸を「ワイルドシルク」とも呼ぶ。
出典: 野蚕 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0