錆落とし
さびおとし
名詞
標準
文例 · 用例
同じく、鉄はたたくが、目も鼻も耳の穴も、まっ黒になって、船のサビ落しをやる労働者の名だ。
— 吉川英治 『かんかん虫は唄う』 青空文庫
彼らの仕事は、船のサビ落しと云われているが、ダンブル掃除や貯炭庫の闇や船底の水槽洗いや、およそ船鼠の出入りするような個所へは、どこへでも仕事に追い込まれた。
— ――四半自叙伝―― 『忘れ残りの記』 青空文庫
雨の日は、船内仕事か、外部にしても、ドックの底の真っ暗な船底のサビ落しなど、比較的らくな作業が多かった。
— ――四半自叙伝―― 『忘れ残りの記』 青空文庫
船具部といふと、聞えがよいが、ペンキ塗、サビ落し、ダンブル掃除、入渠船の船底洗ひ、つまり雜用工である。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫
しいて技術的な仕事といえば、船内船腹の塗工ぐらいなもので、そのほか、入渠船舶の出し入れ、船内船底の錆落し、製缶工などの足場懸け、ドック掃除、沖仕事、およそあらゆる入渠船舶の雑役は、みな船具部へかかってくる。
— ――四半自叙伝―― 『忘れ残りの記』 青空文庫
造船場附近や港場には、あの錆落しをやつてゐる眠たげな小さいハンマーの音響をよく耳にする。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫