水引き
みずひき
名詞
標準
文例 · 用例
そのため一歩踏み出したばかりで、御褒美の水引きを先へ頂戴してしまった。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
」 水引きといふのは、田に水を入れたり、堰き止めたりする役目をいふので、一日幾らの日當で一定期間雇ひ入れるのである。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
田植は池の附近から先づ始められ、水引きと當番總代の二三人とが出張つて、次々に田に水を入れて、下の方へと水を追つて行くのであつた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
乾いた土がこれほどまでに水を吸ふといふ事實を、總代や水引きたちは果して計算のなかに入れてゐるであらうか?
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
總代や水引き達は、がやがや何か話しながら忙しさうに次の田の方へ走つて行つた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
水利總代と水引きの責任だと云つて、口々に罵り喚いた、しかし總代長は心得たもので、多くは云はず、にこにこしながら、まアまアと云つて、酒を出してひたすらもてなした。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
三人の水引きは躍起となつて田から田へ走り、水の切れてゐるところを探して、何とかしてこれに補給しようとして心を碎いた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
」 叔母は襤褸片や、風呂敷包みの取り散らかった部屋のなかに坐って、黒繻子の帯の間から、餞別に何やら紙に包んだものを取り出して、子供に渡したり、水引きをかけた有片を、火鉢の傍に置いたりした。
— 徳田秋声 『足迹』 青空文庫