放埒
ほうらつ
名詞
標準
文例 · 用例
このひとの放埒には苦悩が無い。
— 太宰治 『斜陽』 青空文庫
わしは、永いあいだ放埒な大学生々活をして来ました。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
なんの放埒もなくなった。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
お前は、生きている資格も無い放埒病の重患者に過ぎないではないか。
— 太宰治 『父』 青空文庫
然し回を重ねるにつれて、放埒の度は段々はげしくなつた。
— 梶井基次郎 『奎吉』 青空文庫
読んで見ると、自分の放埒時代にしじゆう留守をさせられた彼女の、若き妻としての外出中の夫に対する心遣ひを、こまごまと打開けたものや、子の無い自分が長柄川閑居時代に、ふと愛した近隣のこどもに死なれ愁歎の世にも憐れなありさまを述べたものなどであつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
しかしそうした放埒な、利己的な生活のなかにも、氏には愛すべき善良さがあり、尊敬すべき或る品位が認められました。
— ――親の前で祈祷 『岡本一平論』 青空文庫
あーあ、わたしが外面は洒落の風流人で、江戸気質で、ソレ者、通人と言われ、ときには自分から放埒無慙の人間のようにも見せかけていたのは、たった一つ自分に在るこの気の弱さを隠すカムフラーヂュに過ぎないのだ。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫