懸茶
懸茶
名詞
標準
文例 · 用例
折から堤防伝いに蹄の音、一人|砂烟を立てて、斜に小さく、空を駆けるかと見る見る近づき、懸茶屋の彼方から歩を緩めて、悠然と打って来た。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
頭髪柔かにやや乱れた額少しく汗ばんで、玉洗えるがごとき頬のあたりを、さらさらと払った葉柳の枝を、一掴み馬上に掻遣り、片手に手綱を控えながら、一蹄三歩、懸茶屋の前に来ると、件の異彩ある目に逸疾く島野を見着けた。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
茶は一袋一斤半ずつの懸茶二十四袋が例となってあった。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
懸茶屋には絹被の芋|慈姑の串団子を陳ね栄螺の壼焼などをも鬻ぐ。
— 永井荷風 『向嶋』 青空文庫