左手首
ひだりてくび
名詞
標準
文例 · 用例
政枝が左手首を剃刀で切って自殺を計ったという騒ぎである。
— 岡本かの子 『勝ずば』 青空文庫
父親の寛三は血を吹く政枝の左手首を手拭いの上から握りしめていた。
— 岡本かの子 『勝ずば』 青空文庫
「どうせ癒らない病気――死なせて――邪魔しないで……」 政枝はやっとこれだけ云うとまたしても父親の手から自分の左手首を引き離そうともがき始めた。
— 岡本かの子 『勝ずば』 青空文庫
つらをあげろッ」 近寄りざまに、じっとそのふてぶてしい姿を見ながめ見しらべていましたが、ちらり、目を射たものは左手首の内側にはっきり見える「八丈島」という三字のいれずみ文字です、――せつな!
— のろいのわら人形 『右門捕物帖』 青空文庫
どうってことないさ」 腰掛けを押さえた高志の左手首が、三センチほど切れて、血をにじませていた。
— 第2章 メリーゴーラウンド、1967年 『45回転の夏』 青空文庫
) と思ったので、彼は、船にいるとき、とくべつに、服のうえから腹にまきつけてきた帯をとき、命とすがる板切のわれ目に帯をとおして、しっかりと結び、他の端を、われとわが左手首にしばりつけ、ざぶりと波に洗われることがあっても、からだと板切とは、決して放れないように、用意をしたのであった。
— 海野十三 『爆薬の花籠』 青空文庫
「火の玉」少尉がうしろへふりむくのと、彼の左手首のうえに、焼きつくような激しい痛味を覚えるのと、それが同時であった。
— 海野十三 『空中漂流一週間』 青空文庫
そのうえ、「火の玉」少尉は、左手首に不意打をくっていて、いまだにそれが痺れているのだった。
— 海野十三 『空中漂流一週間』 青空文庫